きらびやかな寺院、見慣れないものが並んだにぎやかなマーケット、甘くてジューシーなマンゴー、そして熱気あふれる街のエネルギー。
一度は行ってみたい!でもその一方でどこをどう回ればいいのか分からず迷ってしまうという声もよく耳にします。
バンコクは、ただの観光都市ではありません。
王宮や有名寺院などの“王道”だけでなく、ローカル食堂のB級グルメ、路地裏のアートスポットやレトロでおしゃれなカフェ、心と身体をほぐすスパやマッサージ、マーケットでのお買い物など、たくさんの選択肢の中から「自分なりの楽しみ方」を見つけられる街です。
この記事では、初めての方でも迷わず楽しめるバンコク旅のモデルコースと、快適に旅を楽しむためのポイントを分かりやすく紹介していきます。
あなたの旅の目的やペースに合わせた最適なプランを作ってみてください。
そして、過去と現在、多様な文化が融合するこの魅力的な街でのわくわくする一歩を踏み出してみましょう。
1.【バンコク観光のベストシーズン】
「タイ=暑い国」とざっくりしたイメージだけで旅の時期を決めると、後悔するかもしれません。
実はバンコクには「快適に観光できるシーズン」と「過酷なシーズン」があります。
●ベストシーズンは乾季(11月〜2月)
この時期はタイ全土が「乾季」にあたり、雨が少なく気温も30℃以下の日が多くなります。
朝晩は25℃前後まで下がる日もあり、散策や屋外観光、特にマーケット散策や屋外カフェなどもこの時期なら快適に楽しめます。
・打ち上げ花火もある年末のカウントダウンイベント(ICONSIAMやアジアティークなど)
・ロイクラトン祭り(灯籠流しをする幻想的なイベント。年によって日にちは変わるが11月ごろ)
など、壮大で美しいイベントがあるので、それを目的に旅行するのもいいですね。
●暑季(3月~5月)
気温が40℃近くになるため、初めて訪れる人や体力に自信のない人には過酷な季節です。
4月の半ばはタイのお正月にあたる時期で、ソンクラーンと呼ばれます。
田舎に帰る人が多いので、タクシー移動が苦にならないくらいに渋滞は減りますが、営業が休みになるお店も多いため注意してください。
新年の祭りの一環で見知らぬ人にも水をかける風習があるので、大切なものに水をかけられないよう、食品保存用袋に入れるなどして守りましょう。
●雨季(6月〜10月)は避けたほうが無難?
雨季は、毎日のようにスコールに見舞われる時期。
気温も湿度も高く、歩けばすぐに汗だくになります。
ただ雨は一時的なスコールが多く一日中降り続くわけではありません。
カフェ、ショッピングモール、スパなどの、屋内施設を多めにしたプランを組めば十分楽しめます。
また、航空券やホテルが安くなる時期であるため「予算重視派」には意外に狙い目かもしれません。
2.【観光モデルコースの必要日数】
「バンコク旅行に何日必要?」というのは誰もが最初に悩むところでしょう。
ここからは旅行の目的別に必要日数の目安をご紹介します。
●1泊2日|王道をコンパクトに体験
お寺とタイ料理、ナイトマーケットなど、バンコクの王道観光スポットをざっくり体験したい人に向いています。
時間が限られているため、移動はタクシーをメインにして効率を重視しましょう。
Grab(グラブ)というタクシー配車アプリの利用もおすすめです。
●2泊3日〜3泊4日|定番もローカルも満喫できるおすすめプラン
初めてタイ旅行に来る人、バンコク観光をしっかり楽しみたい人に向いています。
王道な観光地に加えて、お好みに応じたローカル観光地を織り交ぜて楽しめます。
体力や気温を考えても、ほどよく満喫できるこの日数がバンコク観光のゴールデンスタンダードです。
※この日数に合った具体的なモデルコースは、【初めてのバンコク観光モデルコース】の章で詳しくご紹介します。
●5泊以上|郊外、アートスポットやカフェをじっくり堪能派
タイを2回以上訪れているリピーター、アユタヤやナコンパトムなど郊外にも足を伸ばしてみたい人や、アートスポットや穴場カフェをめぐりながらのんびりした時間を過ごすのが好きな人に向いています。
5泊以上あれば、遠くへ足を運んだり、いくつもの場所でゆっくりしても時間の余裕があります。
週末のみ営業するイベントやマーケットも逃さずチェックできます。
※バンコクは「見る・食べる・遊ぶ・リラックスする」のバランスが取りやすい街です。
旅の計画を立てる際、あなたの旅の「軸」をはっきりさせると日数が決めやすくなります。
3.【バンコク観光に役立つ情報】出発前に知っておきたいこと
●服装について
バンコクは一年中気温が高いので、吸汗速乾性のあるTシャツやパンツが基本です。
熱中症対策として、日焼け止め、帽子、こまめな水分補給も忘れずに。
寺院を見学する際は、肩や膝が隠れる服装が必須です。
文化的な理由で、ノースリーブや短パンでは参拝に入れない寺院もあるので注意しましょう。
●地図・移動手段
移動には、Googleマップを使いましょう。
バンコクを中心に、観光する予定の地域の地図をオフラインでも使えるようにあらかじめダウンロードしておけます。
インターネット環境がない場所でも地図を見ることができ、通信量も節約できます。
バンコク市内の移動は、BTS(スカイトレイン)、MRT(地下鉄)、エアポートリンクが便利です。
初めての方でも迷わず移動できます。
タクシーを使う場合は、タクシー配車アプリのGrab(グラブ)を使うと、あらかじめ行先を指定できるので言葉ができなくても困りません。
「バンコク地下鉄ガイド」(MRT)「Via Bus」(バス)といったアプリも、入れていると役立つかもしれません。
●旅行中のインターネット環境
現代の旅行にインターネットは欠かせません。
ホテルやレストランのWi-Fiだけでは不便を感じるかもしれません。
地図アプリや同行者との連絡など、外出先でも常時インターネットを利用したい方のために、主な選択肢をご紹介します。
・タイのSIMカードの購入
特徴: SIMカードを購入し、スマホに挿入することでタイのモバイルデータを利用できます。
データプランのみと音声電話番号つきを選ぶことができます。
ここに上げた選択肢の中で、おそらく最も安価です。現地空港で購入すると初期設定も手伝ってもらえます。
注意点: スマホがSIMフリーであること。
・eSIMの利用
特徴: 物理SIMなしでデータプランをスマホにダウンロードできるので、申し込み後、短時間で利用開始できます。
注意点: スマホがSIMフリーかつeSIM対応機であること。
・海外ローミング
特徴: 日本の携帯会社のサービスをタイで利用できるようにローミングします。
事前の申し込みと設定が必要です。
注意点: 各社のオプションにより料金体系やデータ量が異なりますが、割高になる傾向があります。
・Wi-Fiルーターのレンタル
特徴: 専用機器をレンタルし携帯します。複数人でシェアできるのがメリット。
注意点: 機器の持ち運びや、レンタル・返却の手間があります。
※旅のスタイルやスマホの機種に合わせて選んでください。
4.【初めてのバンコク観光モデルコース】
初めての旅行者でも迷わず回れるよう、王道観光に加えてユニークなカフェやアートスポット、映えポイント、ローカル体験もバランス良く楽しめる、満足度が高いモデルコースを紹介します。
◆1日目・2日目(共通)
●1日目:寺院・景観・ナイトマーケットまで、バンコクの魅力を凝縮
・午前:ワット・ポー(世界最大の黄金仏が安置されている寺院。その大きさと美しいお顔に驚きます。足の裏は美しい螺鈿(らでん)模様になっています。最後に頭の下の枕も見て。建物の外にはさまざまな像があり、よく見ると変わったものがいるので探してみましょう)
行き方:MRTサナームチャイ駅から徒歩約3分
→ ワット・アルン(別名暁の寺。塔のフォルムがとても美しい寺院。寺の前や周辺で、タイ衣装の貸し出しをしているので、タイ衣装で塔を背景に記念撮影すると良い思い出になるでしょう)
行き方:ターティアン船着き場から渡し舟で向こう岸へ
・昼食:Make Me Mango(ターティアンに戻ってきたら、川沿いの細い道を150mくらい南下。マンゴースイーツが人気のカフェ、建物の造りが変わっていて、インテリアもポップでかわいい。窓からちょっと顔を出せばワット・アルンが見えるのもポイント)
・午後:王宮とエメラルド寺院(Wat Phra Kaew きらびやかな装飾と、一度は見ておきたいエメラルド仏。格式が高い寺院のため、ノースリーブや短パンでは入場を拒否される場合があります。その場合はデポジットを払って巻きスカートなどの貸し出しを利用しましょう)
行き方:ワット・ポーから徒歩約10分、入口はワット・ポーから一番遠い側にあります
・夕方:View ARUN Restaurant & Barなどで夕食(Make Me Mangoの奥)。
チャオプラヤー川越しにワット・アルンの絶景を堪能(川沿いの店の良い席は予約しておいた方が安心)
・夜:アジアティーク ザ リバーフロント(チャオプラヤー川沿いの美しい夜景とともに、タイの伝統工芸品やデザイン性の高い雑貨をショッピング。観覧車やムエタイショーなどエンターテインメントも充実しています)
行き方:BTSサパーンタクシン駅から無料シャトルボートで約10分
●2日目:ローカルマーケットとレトロなカフェでバンコクに溶け込む)
・朝食:ピンクのカオマンガイ(プラトゥーナムの人気屋台飯)
行き方:BTSチットロム駅またはエアポートリンクのラチャプラロップ駅から徒歩約5分
・午前:オートーコー市場(高品質で新鮮なフルーツ、野菜、シーフードが並ぶ高級市場。タイの豊かな食文化に触れ、珍しい食材やローカルフードを試すチャンス)
→ チャトチャック市場(週末限定で開催される世界最大級の市場。ありとあらゆるものがあり、掘り出し物を見つけるわくわく感があります。値引き交渉も楽しんで)
平日ならサムヤーン・ミットタウンで買い物と食べ歩きを楽しめます
・昼食:MBKセンター(携帯電話や電化製品、カジュアルな衣料品、お土産品など何でもそろう巨大モール。交渉次第で安く買えるので、価格交渉術を試してみて)で買い物
→ フードコートのタイ料理
行き方:BTSナショナルスタジアム駅直結 or サイアム駅から徒歩約5分
・午後:Landhaus Bakery(アーリーにある静かなカフェ)
行き方:BTSアーリー駅徒歩3分
・夜:ジョッドフェアーズナイトマーケット(若者に人気の最新ナイトマーケット。シーフードや肉料理、デザートなどのストリートフードが充実し、流行の韓国系ファッションアイテムやハンドメイド雑貨も豊富)
行き方:MRTラマ9駅から徒歩約5分
◆2泊3日パターン
●3日目(最終日) ネオ王道のフォトジェニックな寺院で締めくくり
・午前:ワット・パクナムのフォトジェニックで幻想的なガラス仏塔と天上絵画、迫力ある大仏を見学
行き方:MRTバーンパイ駅から徒歩約10分 or BTSタラート・プルー駅からワット・パクナム行きソンテウ(トラックのような路線交通の車)
・昼食:Sawang Noodle(バミーヘンが人気のローカル店)
行き方:MRTサムヤーン駅から徒歩約7分
・午後:街スパでマッサージ → 出発空港内のレストラン(残ったタイバーツが少なくても、フードコートなら安価なタイ料理を最後に楽しめます)
◆3泊4日パターン
●3日目:郊外トリップとバンコクの夜景
・午前:メークロン市場へ(電車が通るたびにテントや商品が瞬時に片付けられる、世界でも珍しい線路上の市場。スリル満点の光景は必見。電車の本数が限られるので計画的に)
・昼:アンパワー水上マーケットで買い食い&手こぎボート体験
行き方:パンダバスなど現地ツアーを利用すれば水上マーケットとセットでお手軽
・午後:バンコク市内に戻ってホテルで少し休憩
・夜:マハナコンタワー(King Power Mahanakhon。近未来的なデザインと圧倒的な高さが目を引くランドマーク。地上314mのガラス床を歩いて地上を見下ろせるかチャレンジしてください。展望台からはバンコクの壮大な景色を眺められます)
テーブルを確保できればそのまま食事とお酒を楽しむこともできます。
行き方:BTSチョンノンシー駅直結
●4日目:ローカル体験とアート、スパで名残を惜しむ
・朝:Wallflowers Cafe(中華街近くの植物に囲まれた映えカフェ)
行き方:MRTワットマンコン駅から徒歩約5分
・午前:ワット・トライミット(世界最大の美しい黄金仏が安置されている寺院。これから歩く道を見下ろして確認できます)
・昼食:ジャルンクルン通りでバミーヘンやカオカームーなどのランチ。
・午後:サンペーン市場(問屋街ならではの圧倒的な商品数。衣料品、リボン、ボタン、ビーズなどの手芸用品、アクセサリーパーツなど、小売りもしているが大量購入向けの品ぞろえが豊富)
→ オーンアーンウォーキングストリート(週末に開催される、クリエイティブなストリートアートが点在するおしゃれな通り。裏路地アートも多いエリア。地元のアーティストの作品やハンドメイド雑貨、ストリートフードが楽しめます)
・夕方:トンローのDivana Divine Spaでぜいたくスパ体験
→ Ror Ruea(ร.เรือ)やKhao Jao(ข้าวจ้าว)などの人気のローカル店
行き方:BTSトンロー駅から徒歩約10分
5.【おすすめバンコク観光の穴場B級スポット】
初めてバンコクを訪れる人が行けそうな穴場はここ。
Sriyan Tearoom
旧市街にあって行きにくいという意味でコースからは外されたカフェ。
食事もカフェメニューも充実。
色ガラスがはめ込まれたレトロなタイ建築は一軒まるごとすてきな雰囲気。声をかければ、お庭や2階も見せてくれます。
オリジナルブランドの洋服の販売も。
行き方:BTSサパーンクワーイ駅からタクシー約10分 or 船でパーヤップ船着き場すぐ
ワット・サケート(Wat Saket 黄金の山の寺)
王宮周辺にいるときに時間があれば、立ち寄りましょう。
山の上にある寺院の、さらに一階上がった屋上から旧市街を一望できます。
風に吹かれて鳴る鐘の音を聞いていると、タイムスリップしたかのような気分になります。
一本西のマハーチャイ筋には有名なパッタイ屋さんなどのローカルグルメからおしゃれなタイ料理、バーなどもあって楽しめます。
行き方:MRTサムヨット駅から徒歩約15分 or パンファーリーラート船着き場から3分
ワット・クンチャン(Wat Khun Chan)
ワット・パクナムを訪れたときに時間があれば、橋を渡って隣のワット・クンチャンにも立ち寄ってみましょう。
月食の神様への黒い供物が印象的な寺です。
仏像の中に入るのも忘れないで。魚に餌をあげると怖いくらい食らいついてきます。
行き方:ワット・パクナムから徒歩約5分
ワット・パリワート(Wat Pariwat)
これぞ、ザ・B級。ユニークな仏像やアニメキャラクターの装飾が施された「ポップカルチャー×仏教」の変わり種寺院。
キャラクターや装飾はどんどん増えているようなので、次に行ったら違うキャラクターが増えているかも。
行き方:BTSサパーンタクシン駅からBRTに乗り換えて約15分
6.【旅行の費用について】
最後に、一気に現実的な話に戻りますが、往復のチケット価格や両替レートの目安をお伝えしておきます。
●航空券:
ハイシーズン(12〜2月)なら往復6〜9万円、
ローシーズン(雨季)は3〜5万円代
●ホテル代:
3つ星で1泊5,000〜8,000円。コストパフォーマンスを重視すればさらに安価な宿泊施設も多く、4つ星以上のリゾートでも15,000円以下で多数見つかります。
●円バーツレート:
2025年6月現在、1バーツ=約4.4円前後。
今でもタイの物価は日本より相対的に安いですが、残念ながら円安傾向のため「以前ほどのお得感はない」という現状も理解しておく必要があります。
まとめ
バンコクは、「ちょっとした冒険」と「安心して楽しめる快適さ」が共存する、バランスの良い街です。
公共の交通機関が新設されているので、簡単にアクセスできるところが年々増えています。
寺院やマーケットで異国の空気を感じた直後に、BTSやカフェのWi-Fiでほっと一息つける。
多様な時代と文化が隣り合っているのがこの街の魅力であり、初めての海外旅行先として選ばれる理由のひとつでもあります。
今回ご紹介したモデルコースは、バンコクの“王道”と“ちょっとローカル”を無理なく組み合わせ、地図を片手に気軽に動けるようアクセスや動線にも配慮して作りました。
けれども、実は予定通りにいかなかったことこそ旅の一番の思い出になったりもします。
インスピレーションを大切にして、気になるカフェを見つけたらふらっと立ち寄り、疲れたら通りがかりのマッサージ屋で心身をほぐす。
バンコクはそれくらい自由な気持ちでも楽しめる街です。
一度足を運べばきっと、「バンコクに行ってみたい」が「またバンコクに行きたい!」に変わっているはず。
この記事が、あなたの「初めてのバンコク」へのきっかけになりますように!