タイは東南アジアの中でも比較的安全な国と言われています。
ですが、バンコクのように観光客が集まる都市では、スリや詐欺、ぼったくりなど軽犯罪の被害に遭うリスクがあるのも事実です。
私自身、何度もバンコクに足を運んでいますが、気を抜いた時こそトラブルはやってきます。
本記事では、安全安心な旅を楽しむことができるように、バンコク旅行で注意するべき治安の悪いエリアややばい施設、最新情報も含めたバンコクの治安について解説します。
最後に、女性にとっても安心できるおすすめホテルを紹介するので参考にしてください。
タイ全体の治安状況

タイの「治安が良い」は本当?
タイは旅行者にとって魅力的な国です。
微笑みの国と呼ばれ、人も親切でフレンドリー。
バンコクやチェンマイ、プーケットなどの観光地も整備が進んでおり、治安は比較的安定しています。
しかし、「日本と同じくらい安全」とは言えず、日本よりも注意が必要な面があります。
特に「観光客だから狙われてしまう」ケースが目立ちます。
まずはタイ全体の治安状況を正しく理解した上で、周囲をよく観察し、あまり観光客っぽく見えないよう落ち着いて行動してください。
数字で見るタイの治安レベル
2025年のNumbeoの調査によると、タイは犯罪指数が37.3、安全性指数が62.7とのこと。
あまりピンとこないかもしれませんが、日本の犯罪指数が約23.2であることと比べるとかなり高いです。
国別ランキングではタイは98位、日本は138位。
つまり、「タイはそれなりに安全だけど、日本ほどではない」ということ。
世界平和指数(2024年)でも、タイは75位。
この順位は「中間レベル」とされています。
旅行は充分可能だけれど、日本と同じように振舞ってしまうと足元をすくわれる、という感じですね。
都市部と地方で差がある治安状況
タイの治安は、エリアによってかなり違いがあります。
バンコクやチェンマイのような都市部では、警察官の巡回や防犯カメラがしっかり設置されていて、比較的安心できます。
私がよく通るスクンビット通りは、明るくて人通りも多いので、夜でもあまり怖さを感じませんが、ちょっと裏道に入っただけで、見た目の雰囲気はあまり変わらないのに、スリや強盗の被害が多い道というのもあります。
昼と夜では危険度がまったく変わるエリアもあります。
危険なエリアが分からない外国人は、まずは人気のない道や暗い場所、逆に人が多すぎる歓楽街も、注意したほうがいいです。
現金や貴重品の管理
持ち歩く現金は最小限に。
人前でお札をチラつかせるような行動は控えましょう。
両替するときは、周囲の怪しい人物に注意し、なるべくすばやくその場を立ち去ることを心がけてください。
一度に大金を両替するのもできれば避け、両替した後は背後に気をつけましょう。
タイ在住の知人は、百万円超の日本円を両替した後、人気がなくなったところで、後ろから来た男にごっそり奪い取られました。
おそらく両替する時から目をつけられていて、尾行されたのだと思います。
ケガがなかったのが幸いでした。
私も、なるべく持ち歩くのは3000バーツ以下に抑えています。
また、予備のクレジットカードは財布ではなく、バッグの別のポケットに入れています。
ホテルにセーフティボックスがある場合はそれも上手に利用しましょう。
飲食店で、貴重品の入った荷物を置いたまま席を離れるのももちろんNGです。
複数人いる場合は、順番に席を立ってお互いの持ち物を管理しあいましょう。
かといって、持ち主が席に座っていても荷物がなくなることもあります。
友だちと話している間に、反対に置いていたバッグを堂々と持っていかれる動画を見たことがある人も多いと思います。
日本は、置きっぱなしても目を離しても物がなくなることが少ないので油断しがちです。
まさかこんな盗られ方をするなんて思いもよらなかった!と嘆かないですむように、海外に行くときには、少し危険感知度を上げ、警戒心を強めに持ちましょう。
交通事故に注意
タイは交通事故が多い国です。
歩行者に道を譲るという意識も、最近少しは出てきたようですが、基本は強い車両ほど我先に進もうとする傾向があります。
青信号も、当てにしないでください。
せっかちなので、赤信号でも隙さえあれば交差点に突っ込んで来ます。
また、常時左折可能な交差点が多いのが日本と違うところです。
ルールが違うので仕方ないのですが、日本と同じ感覚で歩くと事故にあいます。
自分が100%注意するのは当たり前、なおかつ相手の分まで入れて200%注意するつもりでいましょう。
当たり前のことですが、青かどうか、歩行者かどうか、ではなく「突っ込んでくる車両がないかどうか」が大事です。
ただし、コツとして「道を横切る場合は、走らずゆっくりめに動いた方が安全」です。
運転手にアイコンタクトをとってスムーズかつ堂々と落ち着いて歩きましょう。
慌てて小走りした上、さらに急に立ち止まったりしようものなら、タイの運転手は対応できないのでかえって危険です。
大麻のリスクも知っておこう
もう一つ、最近では大麻合法化によるトラブルも増えています。
タイでは2022年6月9日に大麻の規制が緩和されました。
大麻を栽培したり販売することが簡単にできるようになったため、街中に大麻ショップが急増しました。
ただし、合法とは言ってもリラックスや健康や医療のための、ハーブのような使いかたが認められただけです。
勘違いしている人も多いですが、娯楽用の大麻使用や成分が基準値を超える製品、公共の場での大麻喫煙はタイでも違法なのです。
店で合法と聞いて購入し、ホテルで喫煙した場合はタイでも違法となります。
また、タイで食べるには問題がない大麻入りクッキーも、うっかり日本に持ち帰ってしまった場合には日本の空港で没収、下手をすると捕まります。
興味本位で手を出すと、警察沙汰や健康被害に繋がる恐れがあるので、控えるに越したことはありません。
バンコクで比較的安全なエリアと治安の悪いエリア

バンコク全体の治安傾向
ここ数年、観光再開とともにバンコクの治安は全体的に安定してきています。
人が集まる主要観光地では、防犯カメラの設置や観光警察の巡回も増えました。
外国人向けのヘルプデスクや、多言語案内板も充実してきていて、かなり安心感はあります。
外務省の情報によると、2024年4月には、バンコクの危険情報レベルも正式に解除されています。
しかし、これは「安全になった」とまでは言えず、「以前より落ち着いた」という程度です。
スリや詐欺などの軽犯罪は、今でも観光客を狙って頻繁に起こっています。
治安が良いエリア
初めてバンコクを訪れる方や、女性ひとり旅の場合には、以下のようなエリアに拠点になるホテルを予約すると安心です。
スクンビットエリア(アソーク・プロンポン・トンロー)
高級ホテルや日本語が通じるレストランが集まり、比較的治安が安定しています。
人通りも多く、夜でも明るい場所が多いです。
日本人街のトンロー・エカマイ周辺には、長期滞在者や女性一人旅の方も多く、心強い雰囲気があります。
サイアム・チットロム周辺
バンコク最大級のショッピングモールが立ち並ぶエリアで、観光客も多く、警備も行き届いています。
買い物にも便利で、夜まで人の往来があります。
シーロムエリア(サラデーン駅周辺)
ビジネス街であり、昼間の治安はとても良好。
ただし、歓楽街が隣接しているため、夜遅くなると雰囲気が変わります。
リバーサイド(チャオプラヤ川沿い)
高級ホテルが多く、落ち着いた雰囲気のエリアです。
観光客が安心してゆっくり過ごせる場所として人気です。
治安が悪いエリア
バンコクには、「できれば避けたい」「夜は行かない方がいい」エリアがいくつかあります。
観光客を狙ったスリや詐欺、薬物関連の犯罪、強盗やぼったくり被害などが報告されています。
クロントゥーイ地区(バンコク)
バンコク最大のスラム街で、薬物や強盗の発生率が高く、観光目的で立ち寄る場所ではありません。
出稼ぎに来ていた周辺国の人が、仕事が減った今も行き場がなくそのまま不法滞在となっているケースも多いようです。
少し西にはクロントゥーイ市場があり、朝~夕方なら行かれる日本人も多いです。
スラムの中にも日本人が関わる財団もいくつかあり、昼間はそれほど怖い雰囲気ではないですが、夜になると薬物の取引や放火、拳銃が出てくることもあり、タイ人でも近寄らないそうです。
カオサン通り
バックパッカーに人気のエリアで、毎日がお祭りのような楽しい雰囲気の場所ですが、昔よりもさらに混雑するにぎやかな場所となっているため、置き引きや薬物混入、酔っ払いによるケンカなどのトラブルが絶えません。
ソイカウボーイ・ナナプラザ・パッポン通り
上で書いた治安が良いとされるエリアに隣接していますが、治安の良いエリアから少し外れて歓楽街エリアに入ると、急にぼったくりやスリ、睡眠薬入りの飲み物による被害も報告される治安の悪いエリアになります。
昼間歩くだけならそこまで問題はないと思いますが、夜の歓楽街のお店には必要がなければ入らない。
入る場合は、必ず複数人で行動し、飲み物に怪しいものを入れられないように周囲の様子には注意していてください。
王宮・寺院周辺
有名観光地ゆえに詐欺の温床です。
「寺院が今日は閉まっている」と嘘をついてみやげ物屋に連れて行って粗悪な宝石を買わせたり、ガイド料を要求するような詐欺が昔からあります。
パヤタイ・ラチャダー周辺
交通量が多く、夜間はひったくりやスリが増える傾向があります。
パタナカン地区
開発が進んではきたものの、現在も売春施設が点在するエリアです。
ローカル向けの風俗店やマッサージ店が多く、深夜帯は薬物や暴力トラブルの報告も。
夜間は人気のない路地を避け、不要な立ち入りは控えるのが無難です。
タイ南部(マレーシア国境付近)
バンコクではないですが、マレーシアとの国境近く、深南部と呼ばれるタイ最南部の4県は、過去から現在まで、頻繁に爆弾テロや暴動が起きており、24時間365日、兵隊が数百メートルおきに銃を持って立っている道や、車が勢いよく通れないように有刺鉄線のバリケードで通行を阻んでいるような道路がたくさんあります。
外務省も渡航注意レベルを引き上げているエリアで、観光目的で行くべき場所ではありません。
バンコクでよくみられる犯罪

観光客が狙われやすい手口
タイでは「観光客=カモ」と見られがちです。
特にバンコクでは、観光客を狙ったトラブルがいくつも報告されていますが、代表的な犯罪手口を知っておくだけで、被害を避けられることも多いです。
スリ・置き引き・ひったくり
マーケットやナイトマーケット、BTS駅構内、人混みの多いモールなどで多発しています。
バッグは身体の前に持つのが基本です。
斜めがけを推奨されることも多いのですが、引きずられてケガをする可能性も考えておいた方が良いです。
ひったくりからバッグを守りつつも、最悪の場合は諦めて離せるようにすることも頭の隅に入れておきましょう。
スマホや財布を後ろポケットに入れる習慣のある人は、「差し上げます」と言っているようなものです。
せめて海外では目につかないところに入れましょう。
以前、一緒に旅行に行った友人が、買ったものが重いからと、ベンチ横に置いたまま次の買い物に行きましたが、当然のように、置いた荷物はなくなっていました。
同行した全員に「日本でもそんなことしないよ!」と呆れられていました。
タクシーのぼったくり
メーターを使わない、遠回りして高額請求するなどの被害がよくあります。
私も、空港の公式乗り場から乗ったタクシーだというのに、乗ったあとに「〇〇バーツでどうだ(メーターを使わない)」と言ってきたタクシーに当たったことがあります。
そのときは「メーターで行かないなら降りるわ」と、空港の外ですぐ降ろさせて、別のタクシーに乗り換えましたが、そういうことをするのも怖い、という人は、GrabやBoltなどの配車アプリを使うことをおすすめします。
少額の手数料で、タクシーに関するさまざまな不安はほぼ防げます。
いろいろな詐欺
「日本のお札が見たい」と財布からお札を出させてそのまま持ち去ったり、「日本のお札が欲しいから両替してくれ」などと言って嘘のレートで不当な両替をさせたりする古典的な詐欺もいまだにあるようです。
私も昨年、パタヤで話しかけてきた外国人と少し話していたら、途中から「日本のお札を見せて」と言ってきたので「うわ。噂には聞くけど、本当に言われたのは初めて!」と思わず笑ってしまいました。
タイに来るのが初めての人も含め、日本人の友だち大勢といたので観光客の雰囲気丸出しだったのでしょうね。
相手をするのも嫌になったのですっと引いて、同行していた厳ついタイ人男性とバトンタッチしました。
また「今日は寺院が休みだから違うところに連れて行ってあげよう」とみやげ物屋に誘導し、粗悪な「宝石」を売りつける詐欺もいまだに横行しているようです。
ただ気がいいだけも人もいますが、カタコトの日本語で気を引いてくる人の中には詐欺を企んでいる人もいます。
上で書いたような「キーワード」が出てきたら、相手をしないことです。
ナイトスポットでの薬物被害や偽警官
出された飲み物を飲んだら睡眠薬が入っていて、眠っている間に金品を奪われる被害が多いそうです。
それだけで済めばまだいいですが、それ以上の危害を加えられる可能性を考えると恐ろしいですよね。
知らない人が差し出した飲み物には絶対に手をつけないでください。
また、偽警官にパスポートや現金の提示を求められ、応対しているとお金を抜かれたりすることがあるようです。
「警察だ」と言って話しかけられても、慌てずまずは公式IDを要求しましょう。
マッサージ店に注意
タイに行ったらマッサージを楽しもうと思っている人もたくさんいらっしゃると思います。
いたるところにマッサージ店があり、私もバンコクに限らずよくお世話になっています。
が、一部のマッサージ店やバーでは、裏メニューで性的なマッサージが提供されていることがあるそうです。
それを求めて行くのならいいのですが、その場合でも、法外な請求や睡眠薬入りの飲み物による強盗、盗撮・脅迫などの被害が多数報告されているので注意してください。
特に女性は「一見健全そうに見える」店でも油断せず、必要以上に親しげに勧誘してくる店員や、料金を明確に説明しない店には入店しないようにしてください。
チェンマイでたまたま入ったマッサージ店で性的な部分をマッサージをされ始めて恐怖を感じた!という女性の話を聞いたことがあります。
拒否するとそれ以上何かをされることはなかったようなので、言葉が通じないことで、店側は女性向けの性的マッサージをするつもりだったなど、何らかの誤解があっただけと思いたいところですが、その女性はまったくそんなつもりではなかったのでトラウマになってしまったようです。
こういうケースがあることを知っていると、言葉は分からなくても、怪しげなお誘いをされたら「No」、「タイマッサージ・タマダー(普通のタイマッサージです)」などと明確に断ることができます。
女性マッサージ師ほどの数ではないですが男性のマッサージ師もおり、もちろんまじめに仕事されている人がほとんどだとは思います。
ですが、身体に触れるサービスですので、心配なら担当マッサージ師を変更してもらいましょう。
また、服を着ているマッサージなのにあまりに密室だったり、逆にエステのように服を脱ぐのに隣に見えそうな部屋で不安なら、安心できる環境でマッサージを受けられるようにリクエストして構わないと思います。
きちんとしたマッサージ店なら、向こうから「男性でも良いか?」と聞いてくれたり、施術する部屋にも配慮があるはずです。
そもそも変な状況になるのを防ぐには、お店の口コミや評価を確認しておき、疑問や不安がある場合にはその場でしっかりリクエストし、不安が拭えないのであればその店はやめておくということも大事です。
特に女性旅行者が気をつけたいこと
バンコクの治安は以前より改善しているとはいえ、やはり女性特有のリスクもあります。
ナナプラザやカオサン通りなどの歓楽街では、睡眠薬混入やぼったくり、スリ、金銭やビザ目的のナンパ被害もあります。
男性以上に、声をかけてくる人には注意し、見知らぬ人からの飲み物は絶対に受け取らないようにしましょう。
酔って判断力が鈍っている時ほど、トラブルに巻き込まれやすくなるので、アルコールはほどほどに。
露出度が高い服装や高価なブランドを見せびらかすようなスタイルは避け、現地に馴染むカジュアルな服装を意識すると安心です。
日本人は全体的にターゲットにされやすいですが、中でも女性は狙われやすいので、親切そうに話しかけてくる人にも警戒心は必要です。
特に夜間一人歩きする場合は注意力や直観力を研ぎ澄ませておいてください。
ホテルはセキュリティのしっかりしたところを選び、セーフティボックスの活用も忘れずに。
マッサージを受ける場合は、女性のマッサージ師に担当してもらうようにするとリスクが減ります。
バンコク旅行中の防犯意識

貴重品の管理
スリや置き引きの多くは、ほんの一瞬の油断が狙われます。
財布やパスポートなどの貴重品は、複数の場所に分けて管理しましょう。
とよく言われますが、私は実は、貴重品をあちこちに分けるのは苦手。
分けると常に身につけてはいられないことになるので、これだけはなくなったら絶対に困る、というものはまとめて常に意識をし、肌身離さず持つことを徹底する方が現実的で安全だと考えています。
ただ、旅行に持ってきた全部の貴重品を持ち歩く必要はないので、その日必要のない分はホテルのセーフティボックスなどに保管するのが良いでしょう。
飲食店では、トイレに行く時も、少なくとも貴重品を入れた荷物は席に置きっぱなさないこと。
これは鉄則です。
そのためにも、貴重品をあまり分散させず、常に持ち歩けるサイズや状態にしておくと便利です。
非常事態に備えて、パスポートはたいてい原本も持っていますが、スクショと紙で、コピーも必ず持ち歩いています。
簡単な手続きや身分証明は、コピーでも通用するからです。
人前でおおっぴらに日本のパスポートを見せるのは得策ではありません。
バッグは、斜めがけにすると盗られにくくはなりますが、それでも無理やり引っ張られた場合は引きずられてケガをすることもあるので、そのことも踏まえて持ち方を決めましょう。
また、スマホをズボンの後ろポケットに入れていて盗まれたという話はよくありますが、これも海外ではご法度。
見えないようにバッグに入れて身体の前で持ち、もし手を入れられたら気づけるように、身体に添わせて常に手で触れていることを基本にしましょう。
とにかく、日本にいるときよりも、警戒の感度を少し上げてください。
さきほど記載した、大金を盗まれた男性も、後ろを振り返って注意している様子を見せていれば、もしかしたら犯人も警戒して犯行を踏みとどまっていたかもしれません。
「警戒していて狙いにくいな」と思わせることは、犯罪心理学の観点からも犯行を抑える要因になることが分かっています。
体力や性別は変えられませんが、周囲にどんな人がどれくらいの距離にいるかを常に把握しておく、もしくは「把握しようとしている振りをする」だけでも一定の犯罪抑止効果があると、私は考えています。
タクシーやトゥクトゥク
「バンコクのタクシーはぼったくりが多い」というのは有名な話かと思います。
また、価格交渉や乗車拒否をしてはいけないはずなのですが、実際はよくあります。
でも、タクシーが客を取るのに長時間待つような場所で、短距離しか乗るつもりがない乗客だと「せっかく客待ちに並んだのに商売にならない客は乗せたくない」と思うのも理解できます。
たとえば、チャトチャクのバスターミナルからすぐそばのBTSの駅までと言うと、タクシーで100、トゥクトゥクなら150バーツくらいの価格を提示されます。
少し値下げ交渉はするにしても、急いでいるときや荷物があるときは、利便性を重視して受け入れています。
言葉も、道も、料金も分からない、もっと怖い何らかの犯罪も不安、という人は、配車アプリを使えば、料金が事前に分かるうえ、トラブルもほぼ防げます。
タイ人は優しい人が多い反面、短気で感情的になりやすい人も多く、乗車中に運転手と揉めるのは危険です。
わりと簡単に拳銃を購入できる国なので、タクシー運転手に限らず持っている可能性があります。
運転手がダッシュボードから拳銃を出すのを防げるように、特に夜中は助手席に乗るというタイ人も多いです。
普通の価格交渉や行先リクエストは大丈夫ですが、不穏な空気を感じるときは大人しく支払ってなるべく早く去りましょう。
少々遠回りや価格交渉されたとしても、日本のタクシー料金よりは安いし、命を懸けるほどの額ではありません。
また、観光で来ると、トゥクトゥクにも乗ってみたくなりますが、料金はしっかり事前交渉しましょう。
観光客をメインにした乗り物なので、近い距離でも「300バーツ」などと吹っかけてくることがあります。
値段交渉も楽しむなり、高くても乗ってみたいならそれは全然ありです。
でも値段交渉が苦痛なら、無理して乗る必要はない乗り物です。
詐欺などへの対策
「今日はこの寺院は閉まってるよ」と話しかけてきて、別の宝石店に連れていこうとする手口。
「日本円を見せてほしい」と言って財布を出させ、盗み取る手口。
どちらもタイで昔からある古典的な詐欺です。
他にも観光客はたくさんおり、あなたに執着しているわけではないので、怪しくて必要のないお誘いをされても隙を見せず、冷静に断ればしつこくされません。
ナイトスポットでは、睡眠薬を盛られた飲み物を飲んで意識を失い、財布やスマホを奪われる事例が多いです。
知らない人から渡された飲み物は飲まない、自分の飲み物から目を離さない、お店でも飲み物を置いて長時間席を離れない、ことを徹底してください。
偽警官にも注意する必要があります。
パスポートと財布の提示を求められ、「中身を確認したい」と言って現金を抜き取られるケースがあるようです。
国境周辺だと、タイ国内でもパスポートを求められる場合は実際にありますが、財布を見せないといけない状況というのは考えられません。
少しでも変だと思ったら、まずはIDを求めましょう。
さらに、「何か違反をがあるのであれば、近くの警察署で対応します」と伝えると良いです。
本当に何らかの違反があるなら応じるはずですし、偽物の警官だったら警察署には行けません。
中には、いちゃもんをつけて「罰金」という名の賄賂をせびる「本物の警官」もいますが、もちろんその場合は嘘をついていることになるので警察署へは行きたがりません。(最近監視カメラ普及のおかげでだいぶ減ったようです)
夜の外出や人混みにも警戒を
比較的治安は悪くないバンコクですが、夜の一人歩きは避けた方が無難です。
また、昨年、久しぶりにカオサンを歩いたのですが、以前よりも人が多く、避けて歩くのがせいいっぱいで、トートバッグやリュックだとスリに合いそう、と感じました。
昔、知人男性が人混みでバッグを切られて中のカメラを盗られました。
混雑しているため、バッグに何かがぶつかっても違和感がなく、人混みを抜けてから気づいたそうです。
口が締まるバッグでも安全ではないので、人混みでは中の貴重品にバッグの上から手を当てて置き、常に確認しているくらいがちょうど良いです。
ホテル滞在時と緊急時の備えも忘れずに
ホテル滞在時はドアチェーンを必ずかけておき、見知らぬ人のノックで簡単にドアを開けないでください。
貴重品はセーフティボックスへ。
出かけていて何かあったときのためにホテルの連絡先カードももらっておき、緊急連絡先を控えておくことも重要です。
例えば、公的な緊急連絡先は以下に代表されます。
- 警察:191
- ツーリストポリス:1155(日本語可:0-2668-7173)
スマートフォンアプリ「Tourist Police I Lert U」では、日本語を含む複数言語に対応しており、メッセージや写真で警察に連絡できます。緊急時に備えてダウンロードしておくのも良いでしょう。 - 在タイ日本大使館:+66-2-207-8500 +66-2-696-3000(夜間や休館日にも対応)
ネット環境も重要です。
現地SIMやeSIMを使えば、現地情報の検索や位置情報の確認がスムーズにできます。
データプランだけでなく電話番号つきのSIMであれば、緊急時に電話をかけることもできます。
また、旅行前には、外務省の「たびレジ」に登録し、最新の治安情報を把握しておきましょう。
バンコクの女性向けおすすめホテル10選

楽しいはずの海外旅行で犯罪に巻き込まれたくない!
バンコクで安心して滞在できるホテルを探したい!
という旅行者に向けて、治安が良く、立地や雰囲気にも優れたおすすめの宿泊先をご紹介します。
旅のスタイルに合わせて厳選しました。
ちなみに、アソーク・プロンポン・トンロー辺りよりエカマイ、プラカノン、オンヌット辺りは少し人が少なめ。
治安も悪くなく、駅近でリーズナブルなホテルがたくさんあるので個人的にはかなりおすすめです。
リーズナブル&コスパ抜群なホテル
ホップイン オンヌット(BTSオンヌット駅前)
- 価格帯:約5,000円~
- 特徴:新築で清潔、設備は必要最低限だが立地は抜群。
- タイプ:新しい・格安・駅近
クロス バイブ スクンビット(BTSオンヌット徒歩4分)
- 価格帯:約5,000円~
- 特徴:プール、ランドリー付きで長期滞在も◎。おしゃれで静かな環境。
- タイプ:新しい・中期滞在向け・コスパ重視
バンコク ホテル ロータス スクンビット(プロンポン)
- 価格帯:約7,000円~
- 特徴:日本語スタッフ常駐。日本人街エリアで食事も便利。この立地と設備でこの価格はコスパ良し。
- タイプ:老舗・安定・安心・日本人向け
中価格帯で設備充実
イビス スタイルズ バンコク スクンビット プラカノン(プラカノン)
- 価格帯:約6,500円〜
- 特徴:BTS至近、シンプルながらモダンで女子旅にも◎
- タイプ:機能的・新しめ・駅近
ザ コーチ ブティックホテル(アソーク)
- 価格帯:約7,500円〜
- 特徴:デザイン性抜群。ジャズバー併設で夜も楽しめる。
- タイプ:おしゃれ・個性的・カップルにも◎
ザ クォーター アーリー バイ UHG(アーリー)
- 価格帯:約9,000円〜
- 特徴:若者に人気のカフェ街近く。静かな滞在環境で快適。
- タイプ:トレンド・清潔・穴場エリア
相鉄グランドフレッサ バンコク(旧ソラリア西鉄)(アソーク)
- 価格帯:約11,000円~
- 特徴:ウォシュレット・空気清浄機・日本人スタッフ常駐で安心。
- タイプ:日系・清潔・設備重視
ちょっと贅沢なラグジュアリーホテル
ホテル ニッコー バンコク(トンロー)
- 価格帯:約16,000円〜
- 特徴:日系最高級。レストランやスパも日本品質。カフェだけ利用するのもおすすめ。
- タイプ:豪華・安心・日系ハイクラス
イーストン グランド ホテル サトーン(シーロム・スラサック直結)
- 価格帯:約17,000円〜
- 特徴:BTS直結で雨でも安心。そこそこの価格だが、ラグジュアリーでコスパ◎
- タイプ:豪華・駅直結・ビジネス&観光両立
アヴァニ プラス リバーサイド バンコク(チャオプラヤ川沿い)
- 価格帯:約20,000円〜
- 特徴:インフィニティプールが絶景。目の前が川!
- タイプ:リゾート系・映え・女子旅向き
まとめ
世界の中では比較的安全とされるバンコクですが、言葉が分からず、文化も違うところでは、ちょっとした違和感や危険の芽が理解できなかったり、見逃してしまったりして犯罪に巻き込まれることがあります。
本記事では、よくある犯罪の手口、注意の仕方と対策・対処の仕方をお伝えしました。
ほんの少しの知識があれば、ほとんどの犯罪被害は防ぐことが可能なので、まずはどんな被害が多いのかを知ることです。
安全かどうかは、その土地だけでなく、自分自身の行動や態度に左右されるからです。
せっかくの旅行中、ずっと警戒して心を閉ざしていては、バンコクの魅力を存分に味わえません。
だからこそ、リスクを避けるための知識と対策を身につけて、安心して思い切り旅を楽しんでください。