「タイ旅行は物価が安いからお得」そう思ってタイ旅行を計画する方は多いですよね。
でも最近は円安や燃料代の影響で、昔のように「激安!」と感じることは減ってきました。

飛行機代やホテル代、現地での食事代も上がり、3泊4日や4泊5日、1週間の予算の組み方に悩む人も多いはずです。
それでも、日本と比べればまだまだ相対的に物価は安く、飛行機代やホテル代が安い時期が分かっていれば、予算を抑えつつ快適な旅が可能です

本記事では、バンコク旅行の費用目安を日数別(3泊4日・4泊5日・1週間)に紹介、格安航空会社とレガシーキャリアの違い、費用を安くするコツ、そして「日本円はいくら持っていくべきか」「どういう形で持っていくと安全、かつ旅行中に便利に使うことができるか」まで詳しくお伝えします。

旅費を無理なく抑えて、ぜひ満足度の高いタイ旅行を楽しむために役立ててくださいね。

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タイ旅行費用のおおまかな目安

「タイへの旅行費用ってどのくらいかかるの?」と気になる人は多いはずです。
実際に行ったことがない人にはイメージが湧きづらいかもしれません。

日数別の予算をざっくりでも把握しておくと、無理なく旅のイメージを膨らませられるので、ここでは「格安」「標準」「ちょっと贅沢」の3パターンでタイへの旅行費用を計算してみましょう。

この章では、1人あたりの旅行費用として、飛行機代・ホテル代・食事・交通・観光費を含めた金額を紹介します。

3泊4日の費用目安

3泊4日は、タイ旅行で一番人気のある日程です。
週末+αで気軽に行けるのが魅力ですよね。
2日半~3日ほど滞在できるので、バンコクの王道の観光スポットをざっくり回れます。

まずは格安プランから。
屋台でごはんを食べたり、BTS・Grabを活用して移動し、寺院めぐりをメインにするなら、8万円前後で抑えることができます。

標準的なプランだと10万〜12万円。
少し良いホテルに泊まったり、ちょっと高めのレストランに行ったり、スパを体験したりしたい場合の予算です。

最後に贅沢プラン。
ルーフトップバーで夜景を楽しんだり、高級スパなどを楽しみたいなら15万円前後の予算を見ておくと安心です。

4泊5日プランの費用目安

4泊5日になると、滞在期間に少し余裕が出ます。
定番の観光に加えて、アユタヤ遺跡など郊外の日帰り旅行も組み込めるのでおすすめです。

格安プランは9万円前後。
食事や移動は抑えつつ、長めの滞在を楽しみたい人向け。

標準プランは11万〜13万円。
少しグレードアップしたホテルやマッサージを楽しみたい人向け。

贅沢プランは16万〜18万円。
高級ディナーやショー、ショッピングやナイトマーケット散策など、バンコクの多彩な楽しみ方を満喫したい人向け。

私は、初めてバンコクに行ったときは2日はお高めホテル、あとはゲストハウスと屋台ごはんやローカルマッサージがメインという、格安と贅沢のミックスプランでした。
2回目以降は、1人旅のときは格安プラン、友だちと一緒の時は標準寄りでときどき高めのレストラン、みたいなパターンで楽しんでいます。

1週間プランの費用目安

ゆっくり滞在したい、バンコク以外の都市も見て回りたい人は1週間くらいの日程が欲しいですよね。
パタヤやチェンマイといった別の街に足を伸ばすのもこの日数なら十分可能です。

格安プランだと11万〜13万円。
バスやローカル食堂、ゲストハウスを利用して、リーズナブルに回ります。

標準プランは14万〜17万円。
飛行機や宿を上手に予約すれば、快適な旅ができる費用感です。

贅沢プランは20万〜25万円。
ホテルをアップグレードし、プライベートツアーや高級レストランを利用するなど、リッチな旅行になります。

私も1週間の旅行の際は、夜行バスや寝台列車を利用してチェンマイに出かけたりして、バンコク以外で長めに過ごしました。

タイ旅行費用のリスト

タイ旅行にかかる主な費用を以下にまとめました。
まずは旅行費用の項目リストを見て、どんな費用がかかるのかの全体像をつかんでください。

  • 飛行機代:旅行費の中で最も大きな割合を占めるので、事前に行く時期を考慮して
  • 宿泊費:ドミトリーから高級ホテルまで幅広い選択肢があるので予算とお好み次第
  • 食費:屋台・ローカル食堂・外国人向けレストランなど、いくらでも調節可能
  • 現地交通費:BTSやMRT、バスやボート、Grabやタクシーなど、費用と便利さを考慮して使い分け
  • 観光費:オプショナルツアー料金、寺院などの入場料はフリーから高額なところまでいろいろ
  • お土産代:市場、スーパー、ナイトマーケット、ショッピングセンター(観光客向けかローカル向けかによって価格帯が全く異なる)
  • 通信費:SIMカード / eSIMの購入料、どこへ行くにも何をするにもスマホ頼りなので重要!
  • 海外旅行保険:緊急時の医療や事故への備えも忘れずに!
  • その他雑費:チップ、両替や現金引き出しに関わる手数料など

タイ旅行の費用が安い時期はいつ?

タイに旅行するとき、費用を抑えたいならまず「いつ行くか」を考えるべきです。
同じ3泊4日の旅行でも、旅行の時期よって飛行機代やホテル代が大きく変わるからです。

私がタイに行くときは、基本安いチケットを買っていますが、航空会社によっては「こんな値段で一体だれが乗るんだろう?」という高額なチケットがあって驚くことがあります。
また、買おうとしている時期やタイミングによっては「高いなぁ」と感じるチケットもたくさんあります。

だからこそ、これから紹介する季節ごとの特徴や費用の差を知っておくのはとても大切です。

タイの季節は大きく3つに分かれる

タイの気候は、日本のような四季はありませんが、大きく「乾季」「暑季」「雨季」の3つに分かれます。
季節によって、気候だけでなく旅行費用も大きく変わってきます。

乾季(11月〜2月)

この時期は雨がほとんど降らず、気温的にも過ごしやすいです。
正月や旧正月もあるため観光客が一番多く、飛行機代もホテル代も高くなります。
私も乾季に旅行したことがありますが、人気の観光地はどこも混雑していて、宿泊料金も高めでした。

暑季(3月〜5月)

日本の夏以上に暑い時期なので、体力勝負になります。
旅行費用は乾季よりは安めですが、4月の半ばにあるタイの正月「ソンクラーン」の期間だけは別です。
この時期はタイ人も大量に移動するため、バンコクのホテルも高めになり、郊外のリゾートホテルの料金は急騰します。
私は以前、この時期に旅行して熱射病になりかけた経験があります。
費用面だけでなく健康面でも注意が必要な時期です。

雨季(6月〜10月)

この期間は激しい雨が降ることもありますが、スコールのように短時間で終わることが多いです。
旅行者はぐっと減るので、飛行機代やホテル代が一気に安くなります。
特に9月・10月は年間で一番安く旅行できる時期なので狙いめです!

航空券の価格が安い時期

飛行機代を安くしたいなら、まずは「日本の連休」を避けることです。
年末年始、お盆、ゴールデンウィークはどんな航空会社も料金を上げるので、避けられるなら避けましょう。

私がいつもチェックしているのは雨季と、それから1月中旬〜2月初旬、5月中旬〜7月上旬、そして9月〜11月前半の時期です。
この時期は比較的落ち着いた料金が多く、往復5万円以下、特に9月・10月はオフシーズン真っ只中なので、LCC(格安航空会社)を使えば往復3万円台で出ていることもよくあります

私のおすすめLCCはエアアジアX、ベトジェット、ピーチあたりです。
セールをうまく利用すれば片道1万円台で飛べることもあり、費用を節約したい人にはありがたい存在です。

ただし、LCCは注意点もあります。
例えば、荷物の預け入れ、座席指定、機内食は基本別料金なので、これらを加えると結局フルサービスキャリアと同じくらいになることもあります。
なので、荷物はできるだけ少なくして、機内持ち込みだけで済ませるのがコツです。

また、航空券は半年ほど前から価格が上がり始めますが、直前に空席が残っていると再び安くなることも多いので、旅行日程に融通が利くなら、ひと月後くらいのチケットを探してみるのもおすすめです。

ホテル代が安い時期

ホテル代も季節で大きく変わります。
私が何度かバンコクに行って感じたのは、タイ旅行のベストシーズンである11月〜2月はホテル代がかなり高くなるということです。
同じホテルでも1泊あたり数千円から1万円以上違うこともあります。

逆に雨季の6月〜10月は、旅行者が減るので値段がぐっと下がります。
5つ星ホテルでも1泊6,000円前後で泊まれたりして、コスパ最高です。

私は、暑い国で雨が降ってもあまり気にならないので、なるべくオフシーズンを狙うようにしているのですが、その時期にタイへ行き、豪華な部屋にかなり安く泊まれて「ラッキー!」と思った経験があります。

また、ホテルサイトのタイムセールや直前割引で探した方が安く泊まれたことがあるので、キャンセル可のホテルを予約しておいた上で、様子を見ながらギリギリまで同じホテルの割引、もしくは他のホテルを探してみましょう。
さらに、中心部から2〜3駅離れると、駅近で同じグレードの部屋でも何割か安く設定されている場合も多いので検討の余地ありです。

ただし、女性の一人旅や初めてのタイ旅行なら、安さだけでなく口コミ評価や安全面は必ず確認してから判断するようにしてください。
ポイントとしては、駅や大通りから徒歩圏内の安全な立地を選ぶことです。

その他の費用の節約術

タイ旅行でかかる費用は、飛行機やホテル代だけではありません。
食事や現地の交通費、観光にかかる料金、お土産代や通信費など、積もればそこそこの金額になります。
この章では、私の体験も交えて、さまざまな費用の節約方法を紹介します。

食費の節約にはフードコートが最強!

タイが大好きな理由のひとつがタイ料理だ、という人も多いと思います。
お腹いっぱいのタイ料理を食べるのが旅の目的という方もきっといるでしょう。
でもタイで外国人向けのレストランにばかり行っていると、それなりのお金がかかってしまいます。

そこで、私がおすすめするのは、ショッピングセンターの地下、もしくは上の方の階にあることが多いフードコートです。
ショッピングセンターの中にあって、涼しくて清潔なところで食べられるのに良心的なお値段です。
高級系モール(サイアムパラゴンやICONSIAMなど)だとやや高く70〜150バーツくらい(約300〜650円)ですが、ローカル寄りのモールだと40〜100バーツくらい(約175〜430円)で一食食べられます。

あらかじめ紙のクーポンやプリペイドカードを購入し、お店でそれを差し出して支払うスタイルで、たくさんあるお店から料理を選んだり購入したりするのも簡単なので、タイに慣れていない人にもハードルが低いです。

私のお気に入りは、最近日本でも食べられるようになってきたカオマンガイ(鶏肉ご飯)やパッタイ(米麺の焼きそばのようなもの)やガパオライス(ホーリーバジルと肉を炒めてごはんに乗せたもの)。
ラートナー(餡掛け麺)にハマっていた時期もありました。
ガパオライス以外は、タレやスパイスをかけなければ、辛さが苦手な人でも食べられます。
日本で出されるガパオライスには物足りなさを感じる私ですが、タイではどこで食べてもパンチが効いていて、辛いもの好きな私にとっては外せないメニューです。

また、バンコクの街にはいたるところに屋台があり、フードコートよりもさらに安めで
40〜60バーツ(約175〜260円)くらい
でお腹いっぱい食べられます。

体力やお腹に自信がない人は、はじめは衛生面で少し不安があるかもしれませんね。
そういう人は、まずはフードコートなどで火を通すメニューを食べてから屋台に挑戦してみてください。
手押し車タイプの水道設備のない屋台より、食堂やフードコートなどの店舗がある店の方が清潔度は高めです。

でも、実は衛生面よりも、旅行疲れの身体に冷たさや辛さが過ぎてお腹を壊す人が多いそうなので、氷を入れた飲み物や、辛すぎると感じる料理は控えめにし、清潔な飲み物を氷なしで飲むようにしてみましょう。
私はタイ人と行動することも多く、いろんな屋台やフードコートの食べ物を何千回と食べていますが、お腹を壊した記憶はほぼないです。

あと、タイは周辺諸国に比べると飲料水がとても安いです。
なので、ホテルや食堂にも給水器やフリーの水差しが置いてあることが多く、店舗内で飲むことはもちろん、ボトルに入れて持って行くことにも寛容です。
飲料水を買う必要が減るので、小さな節約になりますし、こまめな水分補給は体調管理としても大事です。

公共交通機関と配車アプリを賢く使う

バンコクの交通渋滞は有名ですが、最近どんどん路線が増えているBTS(スカイトレイン)やMRT(地下鉄)を使えば、時間も費用も節約できます。
料金も安く、車内は冷房が効いていて快適です。(効きすぎなくらいです)
私も、バンコクで移動するときはこれらの電車を主に利用します。

ただ、BTSやMRTが通っていない場所に行く場合はバス、荷物が多い時はタクシーも利用します。
タクシーの遠回りやぼったくり、行先を伝えられないなどのトラブルが心配な人は、Grab(グラブ)というタクシー配車アプリを利用すると、アプリへの指示は日本語OK、事前にルートや料金も分かるので安心です。

通常のタクシーはメーター利用が基本なので、メーターを使わないと言うならそのタクシーは断り、次のタクシーをつかまえましょう。
でも、どうしても別のタクシーがいないなど、こちらが不利なときは、交渉制で乗せてもらうしかない場合もあるかもしれません。

トゥクトゥクは交渉が前提なので乗る前にしっかり料金交渉してください。
多めに言ってきているはずなので、遠慮せずに値下げ交渉しましょう。

私もはじめてタイに行ったときは物珍しいのでトゥクトゥクに乗ってみました。
ぼったくられたのかどうか結局分からないのですが、ある程度交渉して下がった料金で乗りました。
こうしたやりとりも旅の醍醐味のひとつかもしれません。

観光費の節約は無料スポットと夜行バスの活用

バンコクの寺院や観光施設には入場料がかかるところもあります。
有名なワット・プラケオやワット・ポー、ワット・アルンなどは年々入場料が上がってきています。(タイ人と外国人は別料金)
私はすでに何度か入ったことがあるので、まだ入ったことのない友だちを連れていくときくらいしか入らなくなりました。
でもタイには寺院が無数にあるので、美しい寺院や変わった寺院は他にもたくさんあるのです。
ほとんどの寺院は入るのにお金は要りませんし、何なら泊まっても気持ち程度のお賽銭を入れるくらいがローカルスタンダードです。

他にも、知っていれば無料で楽しめる場所はバンコクにもたくさんあります。
例えば街中の公園や市場は地元の空気を感じられるのでおすすめです。
公園は日本と違って夜中は施錠されているのですが、日中はもちろんフリーで入って散歩できます。
ロットファイ公園やベンチャキット公園などでは、身分証を見せれば自転車を借りて公園内をサイクリングすることもできます。

また、バンコクからチェンマイやプーケットなど他都市に移動するときに夜行バスを使うというのも賢い節約術です。
バス会社やクラスにもよりますが、快適な車体が多く、途中でトイレ&食事休憩がある、もしくはトイレや食事はバス内で準備し、ノンストップで早く目的地に到着するのが売りのバス会社もあります。
宿泊と移動を同時に済ませられるので、費用と時間の節約になります。
旅行日程をめいっぱいに行動したい人にとっては、到着した都市で翌朝すぐに観光をスタートできるので効率が良く、おすすめです。

お土産はローカル市場で交渉しながら買う

お土産を買う場合、観光客向けのショッピングモールだと同じ品物でも高く売られています。
数個ではなくたくさん買いたい場合には、時間を取って地元の卸売市場やローカル市場に足を運ぶとかなりの節約になります。

バンコクだと、たとえばプラトゥーナム市場やチャトゥチャック市場では、お土産になるようなものから日用品、服やアート作品など、さまざまなものを安く売っています。
ただし、値段交渉は必要になります。

最初からがっつり興味がある素振りは見せず、提示された額の半分くらいから始め「いくつか買うからまけてよ」と交渉してみてください。
私はだいたい30%くらい安くなったら良しとしていますが、がんばる人はもっとがんばってみてください。
タイの値切り文化を楽しみつつ、予算内に収める工夫をしましょう。

SIMカードやWi-Fiの使い方で通信費を節約する

タイに着いてから、現地のSIMカードを空港や街中で買うと安く買えますが、事前に準備しておけば到着後すぐに使えるので安心です。
早めに探せば安く買えるので、日本にいる間にインターネットショッピングでSIMカードやeSIMを購入しておく人も増えています。
自宅や現地の空港などで受け取れるSIMカード、ネット上のやりとりだけで済むeSIM、電話番号のあるなし、さまざまな日数や通信速度やデータ量(ギガ)のものが選べます。

データ量に余裕がある場合は気にしなくてもいいですが、ホテルやカフェにいる時間は無料Wi-Fiスポットを積極的に使って、購入したモバイルデータの利用をなるべく少なくしておくと、ギガ不足で追加チャージしなければいけない事態を避けることができます。

保険や両替の費用も考慮しよう

海外旅行保険はクレジットカードに付帯していることも多いですが、この5年ほどで急激に変更され、無条件付帯のカードはかなり減りました。

「タイへ来るまでの交通費の一部をそのカードで支払っている」「航空チケットをこのカードで購入している」などの条件をクリアしていることが必要であったり、厳しいものになると「旅行会社が催行する団体ツアー料金をこのカードで事前に支払っている」という条件をクリアしていないと保険が適用されないカードもあります。
現地へ来てからでは条件をクリアできない場合があるので、以前調べたことがある人も、出発前に必ず再確認するようにしてください。

補償が少ないと感じる場合は、空港でも保険に入れるので出発前に加入しておくと良いでしょう。
私もバンコクでわりとひどいケガをしたことがあり、海外旅行保険をかけていて本当に良かったと思った体験があります。

また、現地で使う費用について、レートや手数料などでなるべく損をすることなく便利に利用したいというのはみなさんが思うところでしょう。
これまでは、日本円を持参して現地で両替したり、クレジットカードのキャッシングやクレジットカード払いという方法を利用されていた人が多いと思いますが、最近、他の選択肢も増えてきました。 

この項目に関しては、次の章で詳しくご紹介します。 

バンコク観光で日本円をいくら持っていくか?

タイ旅行での一日の予算

かつては物価が安いといわれていたタイですが、2025年現在、物価はかなり上昇してきています。
バンコク市内の価格の例を示します。

  • BTS・MRTの1区間:20〜60バーツ(約86〜260円)
  • タクシー初乗り:35バーツ(約150円)
  • ミネラルウォーター(500ml):10バーツ(約43円)
  • コンビニのビール(350ml):38バーツ(約163円)
  • 屋台やローカル食堂のごはん:40〜80バーツ(約175〜350円)
  • カフェや観光客向けレストラン:1食300〜1,000バーツ(約1,300〜4,300円)
  • タイマッサージ(1時間):250〜350バーツ(約1,070〜1,500円)

それでも日本と比べれば、食事や交通費は半額〜3分の1くらいのイメージなので、
1日5,000〜10,000円
で過ごせるはずです。
(贅沢プランで過ごしたい人は多めに考えてください!)

日本円をどうやって持っていくか

さて、ここまでの章で予算は立ててきたものの、いざ、タイへ旅行するとき、日本円を「どういう形で」「いくら持っていくか」はけっこう悩ましい問題ですよね。

カード決済ができると現金の持ち歩きが少なくて済みますが、ローカルエリアや屋台、タクシー、マッサージ店などでは、カードが使えないところもまだまだあります。
とはいっても、安全面や両替の手間を考えると、なるべく日本から持ち出す日本円は減らしたいところ。

現地で現金が不足するのは困るけど、なるべく大金を持っていきたくないわけですが、そういう人におすすめの「Wise(ワイズ)」と「Cashmallow(キャッシュマロウ)」という2つのサービスをご紹介します。

Wise(ワイズ)の物理カードの特徴

Wiseカードとは海外利用に特化したデビットカードです。
インターネット上のアカウントに日本円をチャージしておけば、世界中のATMで現地通貨を引き出すことができます。
実物のWiseカードを作った場合は店舗でのカード決済もできるので、
「キャッシュレス(カード)払いと現金引き出しの両方を利用したい人」
に向いています。

  • 実勢レートに近い有利なレートで現地ATMから現金が引き出せる(Visa/Mastercard対応ATM)
  • 月30,000円まではATM手数料無料(超過分は少額の手数料がかかる)
  • 世界中のVisa/Mastercard加盟店でカード決済することができる(物理カードの発行手数料は1200円程度)
  • リアルタイムで残高や履歴の確認が可能
  • 発行手数料フリーでデジタルカードも発行可能ですが、デジタルカードはATMでの現金引き出しや店舗でのカード決済は不可。ホテルサイト、タクシーアプリ、オンラインショップなど、オンライン決済のみの対応なのでご注意!!

Cashmallow(キャッシュマロウ)の特徴

Cashmallowは、現金を持ち運ぶことなく、日本にいる間にインターネット上のアカウントにチャージしておいた日本円を、現地ATMから現地通貨として安全に引き出すことに特化したシンプルなサービスです。

  • 物理カードはなく、カード決済機能はありません
  • アプリ操作とそのとき発行されるQRコード or OTPにて
    現地ATM(SCB銀行)からカードレス出金でバーツを引き出すことができる
  • 手数料が含まれたリアルタイムレートを利用、それでも一般的な両替所より有利なことも多い
  • ATMからの出金手数料は無料
  • 日本の企業が運営しているので、公式サイトやサポートが日本語対応

「現地で都度必要な分の現金を手に入れたい人」「英語は苦手。日本語で操作したい人」に向いています。

TAGTHAi Easy Payとは

バンコクの大きめの店舗を利用する場合はかなりの確率でカード決済も利用できますが、ローカルエリアや屋台、タクシー、マッサージ店などでは、まだまだカード決済に対応していないところも多いです。
支払いにもたつく外国人旅行者を後目に、現地の人はどんな小さな屋台でも、QR決済でささっとスマートに支払いを済ませていくのを見たことがある人もおられるでしょう。

以前は、タイの銀行口座がないとQR決済は使えませんでしたが、2024~2025年にかけて提供されはじめた、旅行者のためのQR決済サービス「TAGTHAi Easy Pay」ではそれができるようになりましたので、合わせてご紹介します。

外国人旅行者専用のQRコード決済サービス

TAGTHAi Easy Payとは、タイ国政府観光庁(TAT)とカシコン銀行(KBank)が共同で提供しはじめたサービスの名称です。
旅行者でも作れるインターネット上のアカウントの中に「持ち込んだ外貨をタイバーツに両替しつつチャージ」しておき、その金額をQR決済に利用します。

VISA加盟店ならカード決済も可能

TAGTHAi Easy Payはカシコン銀行の旅行者向けプリペイドカード「PAY & TOUR」と連動しており、VISA加盟店でカード決済することもできます。

登録に必要なものと方法

  • パスポート(原本)
  • TAGTHAiアプリをインストール
  • 宿泊ホテル名
  • 登録用メールアドレス
  • 登録はカシコン銀行の外貨両替ブースで行う。所要時間は約30分。
  • 日本円(最低1,000円)
  • タイの電話番号や口座や特別なビザは不要

登録・チャージ方法

2025年8月現在は、カシコン銀行の外貨両替ブースのみで登録可能。
WiseやCash Mallowのように、日本にいながら日本円をチャージしたり、タイバーツの直接入金はできないので、必ず「日本円などの外貨を持参し」銀行ブースで両替しつつチャージする必要があります。
※その際の両替レートは、街中にある高レートの両替所より不利になる場合が多いです。

返金・解約方法

同じくカシコン銀行の両替ブースで返金や解約が可能ですが、営業時間や対応できるブースが限られるので、帰国前に手続きしたい人は計画的に。
次回のタイ旅行のために置いておくことも可能です。
ただ、カードの有効期限を過ぎた場合には口座が一旦休眠するので、次回に再稼働の手続きが必要になります。

利用限度額

  • ATM引き出し上限:1日あたり10,000バーツ(約4,300円)
  • 1回あたりの決済上限:100,000バーツ(約43万円)
  • 1回あたりのチャージ上限:100,000バーツ(約43万円)
  • 月間利用上限:300,000バーツ(約129万円)を超えると残高があっても当月は利用不可
  • カード有効期限:発行から1年間(何も手続きせず期限が過ぎると口座が休眠)

Wise / Cashmallow / TAGTHAi Easy Pay の特徴比較表

項目WiseCashmallowTAGTHAi Easy Pay
日本円持参の要・不要不要、日本でチャージ不要、日本でチャージ必要、カシコン銀行ブースでの両替が必須
利用形式アプリ+物理カード
(ATM・カード決済)
アプリのみ(ATMで
カードレス出金)
アプリ+物理カード(ATM・カード決済)
カード決済◎ 可能(Visa/Master デビット・カード)✖ 不可◎ 可能(VISA、
PAY & TOURカード)
QRコード決済✖ 不可✖ 不可◎ 可能(PromptPay)
両替レートの良し悪し◎安くて透明性が高いミッドマーケットレート(仲値そのまま)
+少額の送金手数料
△悪くはない?
Cash Mallowの独自レート
高め
カシコン銀行の独自レート
対応ATMの数幅広い(ほぼすべて)SCB銀行ATMのみカシコン銀行ATMのみ
ATM引き出し手数料月30,000円まで無料
(超過分は手数料要)
無料1回150バーツ
(約650円)
ATMでの出金方法カード挿入+PIN入力アプリ操作→QRコード/OTP発行→ATM読取
(カードレス出金)
カード挿入+PIN入力
アプリの使いやすさ◎直感的・即時反映◎日本語対応○英語・タイ語
セキュリティ高(カード凍結設定あり)高(アプリ内で完結)高(VISAセキュリティ+アプリ管理)
サポート体制英語中心日本語対応英語・タイ語中心
残高返金✖日本帰国後の返金は不可✖チャージ残は口座戻し○両替ブースで返金可

どの調達方法を選ぶかはあなた次第

Wise

現金をたくさん持ってタイに行きたくない人、旅行中にカード決済も使いたい人に向いています。
VISAやMastercard加盟店で直接支払えるほか、ATM引き出しにも対応。
両替レートや送金手数料などの経費は良心的です。

Cashmallow

現金をたくさん持ってタイに行きたくない人、必要な時に安全に現金を引き出せればいいと考える人、日本語で全操作を完結させたい人におすすめです。
SCB(サイアム商業銀行)のATM限定ですが、カードレス出金が可能で現地での現金確保はできますが、カード決済はできません。
両替レートは可もなく不可もなくといった感じです。

TAGTHAi Easy Pay

タイ国内で普及している超便利な【PromptPayのQRコード決済】とVISA加盟店での【カード決済】が可能という、2大キャッシュレス決済をカバーしているのが素晴らしいと思います。
この2つの決済、とくにQR決済を使いたい人に向いています。
はじめに外貨(日本円など)を持っていく必要があるというのが一番のネックですが、現地での登録、両替&チャージを済ませれば、そのあとは大金を持たずに旅行できます。

また、ATMでの現金引き出しも可能なので、一部場面ではどうしても必要になるタイバーツの現金の入手にも対応してくれているので、場面に合わせて便利に使い分けられます。
返金や解約ができるのもポイント。
ただし、一般的な両替所に比べると不利なレートでのやりとりになるので、他のサービスと併用するのが良いかもしれません。

上記を参考に、日本から現金を持ち込む際の安全面、両替レートや手数料、タイ国内でどんな支払い方をしたいのかを総合的に考えてみましょう。
そして、インターネットアカウントと直接持ち込み、また現金、QR払いとカード決済をどのような割合で利用するかの配分を考えて上手に旅行費用を準備してください。

チップやタクシー代も考慮しておこう

屋台や小売店、タクシーでは1,000バーツ紙幣を出すとお釣りが出せないので嫌がられる場合があります。
またタイでは、たとえば下記のように、チップを渡すことが望まれる場面も多いです。

  • ホテルのハウスキーピング、タクシー運転手やホテルのベルボーイに荷物を任せた:20バーツ(約90円)
  • マッサージ:50〜100バーツ(約220〜450円)、料金の20%目安
  • レストラン:総額の10%(サービス料が会計に含まれている場合は不要です)

カードも高額紙幣も使えない場面や、少額のチップをさっと渡したい場合も考慮して、
100バーツ、50バーツ、20バーツ紙幣は常に財布に入っているようにしておきたいところです。

※バンコクのタクシー代について詳しくはこちらの記事をご覧ください!

まとめ

タイ旅行って、昔は「安くて天国!」みたいなイメージでしたよね。
でも、ここ数年は円安や物価上昇の影響もあって、以前ほど気軽に行ける安い国ではなくなりました。
それでも、時期と計画をうまく選べば、まだまだ手の届く値段で楽しめます。

快適な乾季は航空券もホテルも高めですが、雨季は料金がぐっと下がります。
多少のスコールを「南国らしい体験」と思えるなら、むしろ思い出になるでしょう。

飛行機代を抑えるなら、日本の大型連休やタイの祝日を避けるのが基本。
LCCのセールや平日出発、深夜便や経由便を使えば、びっくりするほど安くなることもあります。
ホテルも同じで、中心部から少し離れたり、タイムセールや直前割引をうまく利用すれば同じ金額でワンランク上のホテルに泊まれることもあります。

食事はフードコートや屋台、移動はBTSやMRT。
観光は無料で入れる寺院や公園、市場をめぐれば、節約しながらもしっかりタイの空気を感じられます。

現金は必要な分だけ持ち歩き、WiseやCashmallowを使って現地ATMから引き出せば安全。
最近はTAGTHAi Easy Payという旅行者でもQR決済可能なサービスもできたので、小さな店でもスマートにキャッシュレス決済できるようになりました。

本記事では、「いつ行くのか」「どんなホテルに泊まるか」「支払い方法をどう選ぶか」など、予定を立てる段階からちょっとした工夫をすることで、予算や便利さが大きく変わるというコツをお伝えしてきました。

この記事を参考に、あなたの次のタイ旅行が、ぜひ「行ってよかった」と思える楽しい旅行になりますように。