タイは地震が少ない国として知られています。
私自身、タイ東北部のブリーラムで暮らすまで、正直「地震の心配はほとんどないだろう」と思っていました。
でも、2025年3月に北部で起きたマグニチュード8.2の地震のニュースを見たとき、改めて自然災害の不確実性を実感しました。

私には以前、台湾での生活経験があります。
台湾も今では地震に備えた都市生活が整っていますが、私が住み始めた当初は、まだ地震に慣れていない人々も多く、大きな地震が起きると被害が想像以上に大きくなることもありました。
日本とは違い、幼い頃から「地震が来たらどう行動するか」を教育されていないため、人的被害が広がることもあったのです。

今回タイでの地震では、幸い私自身は直接の被害を受けませんでした。
しかし、人々の慌てた様子やニュース映像を見ていると、地震への備えや情報の共有不足が被害の大きさに直結していることを強く感じました。

この記事では、バンコクやチェンマイを中心に、過去の地震被害や死者数、建物の耐震性、リアルタイム情報の確認方法などを中心にご紹介しています。


タイの地震頻度と日本との違い

「タイって地震が多いのかな?」
日本から旅行で来る人や、移住を考えている人なら、やっぱり気になるところですよね。

結論から言うと、
タイは日本のように頻繁に地震が起きる国ではありません。

日本は「環太平洋火山帯」に位置していて、震度5以上の地震が毎年のように発生します。
日本に住んでいると、地震に備えるのが当たり前で、地震速報の音を聞くとドキッとする方も多いと思います。

それに比べると、タイはプレートの境界から離れているため、地震の頻度はぐっと少なく、強い揺れを感じることはめったにありません。
実際に暮らしていても、「あれ?今揺れた?」という経験をする人はかなり少ないでしょう。

でも、だからといって「地震がゼロ」というわけでもないんです。
特に北部のチェンマイやミャンマー国境付近では、過去に中規模の地震が起きたことがありますし、バンコクの高層ビルでも遠くの揺れが伝わってフワッとした感覚になることがあります。

つまり、日本のように「地震と共存する生活」ではないけれど、まったく油断していいわけでもない
このくらいの感覚で覚えておくと安心です。


タイで地震が多い地域と発生状況

タイでは日本のようにしょっちゅう地震が起きるわけではありません。
とはいえ、「全くない」と思っていると意外に揺れる場所があるんです。

まず覚えておきたいのが、北部のチェンマイやチェンライ周辺
このあたりにはいくつも活断層があって、過去にはマグニチュード6クラスの地震も起きています。
地元の人に聞くと「夜にベッドが揺れて目が覚めたことがあるよ」と話す人もいて、やはり少し地震が多い地域なんだなと感じます。

次に挙げられるのが、ミャンマー国境に近い西部のターク県などのエリア
震源が国境の向こう側でも、近いときには揺れがそのままタイに伝わってくるんです。

逆に、バンコクや中部、南部では地震を体験することはかなりまれ。
ただし油断はできません。
高層ビルが多いバンコクでは、遠くの地震でも“ゆらゆら”と長い揺れを感じることがあります。
大きな被害につながることは少ないですが、突然ビルの中で揺れると、不安を覚える人も多いはずです。

まとめると、

  • 北部(チェンマイ・チェンライ):比較的地震が多い
  • 西部(ミャンマー国境付近):揺れが伝わりやすい
  • 中部・南部(バンコク含む):頻度は少ないが高層ビルでは要注意

旅行や移住でタイに来るときも、こうした地域ごとの特徴を少し頭に入れておくだけで、安心感が違ってきます。


※チェンマイ観光について詳しくはこちらの記事をご覧ください。 ↓

タイ全土における過去の主な地震被害

「タイって、地震があるの?」と聞くと、ほとんどの人が驚くかもしれません。
日本と比べれば、大きな揺れが頻繁に起こるわけではないので、そう思うのは当然ですよね。
でも実は、過去をさかのぼると、強い揺れで人命が失われたり、建物が壊れたりした事例があるんです。
ここでは、タイ全土で起きた主な地震被害を、時系列で振り返ってみましょう。

1930年12月4日:チェンマイ周辺の地震(マグニチュード7.5)

時代をさかのぼると、1930年にチェンマイ周辺でマグニチュード7.5という大きな地震がありました。
当時の建物は今ほど頑丈ではなかったので、古い家や寺院が部分的に壊れたり、ひび割れが広がったりしました。
当時の記録は詳しく残っていませんが、被害の大きさから、きっと多くの人が一時的に避難生活を送ることになったと推測できます。

2014年5月5日:チェンライ県の地震(マグニチュード6.2)

これは記憶に新しい方も多いかもしれません。
北部チェンライ県で起きた地震で、かなりの揺れを体験しました。
7,000棟以上の建物が壊れ、道路に大きな亀裂が入るなどの被害も発生しました。
残念ながら、1人が亡くなり、107人がケガをしました。
特に被害が集中したのは、山間部の村や、耐震性の低い古い建物でした。

2025年3月28日:ミャンマー北部の大地震(マグニチュード8.2)

そして、私たちにとって記憶に新しいのが、2025年3月にミャンマー北部で起きたマグニチュード8.2の巨大地震です。
ミャンマーで起きた地震でしたが、その揺れはタイにも伝わりました。

チェンマイの被害
歴史ある寺院の壁にわずかなひびが入りましたが、すぐに修復されて大事には至らず、人的被害もありませんでした。

バンコクの被害
この時、バンコクでは衝撃的な事故が起こりました。
建設中の高層ビルが倒壊し、当初は10人ほどの犠牲者と報じられましたが、その後の捜索で死者数は増え続け、最終的に89人もの尊い命が奪われました
また、高層ビルの上層階で家具が倒れたり、窓ガラスが割れたりする被害も報告されました。
これは、遠く離れた地震でも、都市部で大きな被害が起こりうることを私たちに突きつけた、初めての事例でした。

過去の事例を振り返ると、地震の被害は主に北部や山間部の、耐震性が低い建物で起きてきたことがわかります。
しかし、2025年のバンコクでの事故が示したように、都市部だからといって油断は禁物です。

特に高層ビルや建設中の建物は、揺れが大きく感じられたり、予期せぬ損傷のリスクがあったりすることを覚えておきましょう。
旅行や移住を考えるなら、これから滞在する建物の耐震情報を少し調べてみたり、避難経路や非常用グッズをチェックしておくだけで、きっと心に余裕が生まれます。

タイの地震は日本ほど頻繁ではありませんが、過去の被害や近年の事故から学ぶことはたくさんあります。備えあれば憂いなし。
この知識があれば、より安心してタイの街を楽しめるはずです。


※バンコク観光について詳しくはこちらの記事をご覧ください。 ↓


タイの建物構造と耐震基準の現状

「タイって、地震が少ないから、建物も地震対策はあまりしてないんじゃない?」
って、正直なところ、私も最初はそう思っていました。
でも最近のバンコクの街を見ると、キラキラした高層ビルが次々と建っていて、技術もどんどん進化しているんです。
過去の地震被害から学んで、少しずつだけど、確実に建物も強くなっているんですよ。
これからタイを旅したり、住んでみようかなと考えているあなたのために、タイの建物って実際どうなの?っていうリアルな話を、ちょっとだけ覗いてみましょう。

タイの建物の構造

タイの建物は、大きく分けて2つの顔を持っています。

まず、バンコクとかの都会にある高層ビルや商業施設
これらは、日本のビルと同じで、鉄骨や鉄筋コンクリートでしっかり作られています。
遠くで大きな地震が起きても、まるで竹のしなりのように、建物全体がゆらゆらと揺れることで、地震の力を逃がすように設計されているんです。
だから、ちょっと揺れても、「ああ、大丈夫、ちゃんと受け流してくれているんだな」って、安心して大丈夫ですよ。

でも、一般の住宅は少し違います。
レンガやコンクリートブロックでできている家が多くて、特に昔からある家は、残念ながら地震に強いとは言えないかもしれません。
地方に行くと、昔ながらの木造の家もまだ残っていて、こちらはやっぱり地震の揺れには弱いんです。

タイの建物の耐震基準

バンコクやチェンマイといった大きな街では、2000年代以降に建てられたビルには、厳しい耐震設計が義務づけられています。
建物を建てる前には、地震のシミュレーションをして、安全かどうかをちゃんとチェックしているんです。

ただ、地方や古い家では、まだそういった基準が追いついていないのが現状です。
古い建物は、年月と共に劣化も進むので、地震のリスクは高くなりますよね。

でも、タイ政府や建築業界も、この問題に真剣に取り組んでいます。
既存の建物が安全かどうかを調べたり、新しい耐震基準を徹底させたりと、街全体の安全を守るために頑張ってくれているんです。

高層ビルや工事現場

新しい高層ビルは基本的に安心ですが、ちょっと気をつけたいのが、工事中のビルです。
2025年3月にバンコクで起きた悲しい事故は、まだ工事中の建物でも、安全管理が不十分だと大きな事故につながる可能性があることを示しました。
だから、工事現場の近くを歩くときは、少しだけ立ち止まって、周囲をよく見てから進むようにしましょう。

タイでの旅や暮らしをもっと安心して楽しむために、これだけは覚えておいてほしいことがあります。

  • 高層ビルにいる時は、もしもの揺れに備えて、家具や荷物が倒れてこないか、ちょっとだけ気にかけてみてください。
  • 古い家や地方の宿に泊まる時は、どこに逃げればいいか、避難経路を事前に確認しておくと安心ですよ。
  • 工事中の建物や古い建物の近くを通る時は、少しだけ距離を取って歩くようにしましょう。

タイの建物は、場所や年代によって、頑丈さに違いがあります。
このことを知っているだけで、あなたのタイでの旅や暮らしは、きっともっと心強いものになるはずです。


タイで地震情報を確認する方法

「タイで地震が起きたら、どうやって情報を確認すればいいんだろう?」って、旅行や移住を考えているなら、誰もが一度は気になることですよね。
タイは地震が少ない国だけど、遠くで大きな地震があると、バンコクのビルもゆらゆら揺れることがあります。
そんな時、パニックにならないように、スマホひとつでサッと情報を手に入れられる方法を知っておくと、とっても心強いですよ。

タイ政府の公式情報

やっぱり一番信頼できるのは、政府の公式情報です。

タイ地球物理局 (DMR) タイ地球物理局ホームページ

タイの政府機関であるDMRは、地震が起きると、どこで、どれくらいの規模だったのか、すぐに情報を出してくれます。
ウェブサイトはタイ語と英語の両方で読めるので、タイ語が苦手でも大丈夫。
スマホのお気に入りに入れておくと、いざという時に役立ちます。

スマホアプリ

遠くの揺れをいち早く知るなら、スマホアプリが便利です。

Earthquake Network Earthquake Networkアプリ

このアプリは、世界中のユーザーのスマホが揺れを感知すると、それをみんなに知らせてくれる優れものなんです。
まるで、世界中の人が協力して地震を監視しているみたい。
遠い場所で揺れが起きた時でも、バンコクに揺れが来る前に通知してくれることもあります。

USGS Earthquake Alerts USGS Earthquake Alertsホームページ

アメリカ地質調査所(USGS)が提供しているこのアプリは、世界中の地震情報がリアルタイムで届きます。
タイはもちろん、世界のどこで揺れがあったか、すぐに分かります。
英語のアプリなので、タイ語が苦手な人には特におすすめです。

SNSやニュースサイト

公式情報やアプリ以外にも、普段使っているSNSやニュースサイトも頼りになります。

  • TwitterやFacebookで、タイの地震速報やDMRの公式アカウントをフォローしておけば、いち早く情報が流れてきます。
  • オンラインニュースなら、タイの大手メディア「バンコクポスト」や「タイラントゥデイ」の速報ページをチェックしてみましょう。

タイでの生活をより安心して送るために、ちょっとした工夫をしてみませんか?

複数の情報源を持つ
公式発表、アプリ、そしてニュース。
この3つを組み合わせれば、より正確で、より速い情報を手に入れられます。

通知設定はONに
スマホアプリやSNSの通知を有効にしておけば、揺れが起きた時、すぐにスマホが知らせてくれます。

英語の情報も活用
タイ語に不慣れなうちは、USGSなど国際的な情報源も併用すると、理解が深まります。


タイで地震が起きても、揺れは短時間で終わることがほとんどです。
でも、いつ何が起こるかわからないからこそ、少しだけ知識と準備をしておくことが、安心して街を楽しむための大切な鍵になりますよ。


タイ旅行中の地震対策

タイへの旅行、いよいよ出発ですね!

でも、せっかくの旅行中、もしも地震が来たらどうしよう…って、少し不安になりませんか?

ここでは、そんなあなたの不安を少しでも軽くするために、タイで揺れを感じた時にどうすればいいか、簡単な「お守り」として頭に入れておいてほしいことをお話ししますね。

室内・室外

ホテルやレストランで揺れを感じたら、まずは自分の身を守ることが一番大事!

テーブルや机の下にサッと隠れて、頭の上に落ちてくるものから身を守りましょう。
窓ガラスや棚の近くは絶対NG。ガラスが割れたり、物が落ちてきたりするかもしれないから、すぐに離れてね。

観光中に外で揺れを感じたら、落ち着いて行動することが大切です。

建物の壁や看板から少し離れて、工事現場の近くも避けて歩きましょう。
公園や広場みたいに、何もない広い場所に移動すれば、上から物が落ちてくる心配もなくなります。

ホテル

ホテルに着いたら、こんなことをしておくだけで、ぐっと安心感がアップします。

非常口の場所をチェックイン時に確認しておく。
たったこれだけでも、いざという時の安心感が全然違いますよ。

部屋に小さな懐中電灯や水、簡単な応急セットを置いておくと、いざという時に役立ちます。

もし高層階の部屋なら、揺れを強く感じるかもしれません。
事前に荷物が倒れないか、確認しておくといいですね。

地震に遭ってしまった時は、揺れが収まったら、まずはスマホで情報を集めること

ホテルや現地の指示に耳を傾けて、それに従いましょう。
家族や友人と、もしはぐれたらここで再会しよう、って決めておくと、混乱した時も安心です。

パスポートや財布は、すぐに持ち出せるように、常に小さなバッグにまとめておくと便利ですよ。
人混みを避けて、広い道を歩くように意識するだけで、もしもの時でもスムーズに避難できます。


タイは地震が少ない国だけど、万が一の時にどうすればいいか知っているだけで、安心して旅を楽しめます。
これらのことを少しだけ頭に入れておいて、素敵な思い出をたくさん作ってくださいね!

※おすすめのホテルについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。 ↓


タイ移住者のための地震対策

タイでの長期生活、もうすぐ始まりますか?
ワクワクしますよね!
でも、旅行とは違って、長く住むとなると、地震のリスクも少しだけ知っておいた方がいいですよ。
ここでは、移住者として知っておきたい、暮らしの中での地震対策について、私が知っていることをお話ししますね。

住む場所を選ぶ時のチェックポイント

タイの家探し、楽しいですよね。
もし素敵な物件を見つけたら、この3つのポイントをちょっとだけ思い出してみてください。

  • 建物の耐震性
    最近の新しいマンションやコンドミニアムは、しっかりとした耐震設計がされているから安心です。
    でも、もし築年数が古い建物や、地方の住宅を選ぶなら、もしかしたら耐震性が十分じゃないかもしれません。
    不動産の人に聞いてみるのもいいかもしれませんね。
  • 工事中のビルの近くは要注意
    もし住もうとしている場所の近くで、大きなビルを建てているなら、ちょっとだけ慎重に。
    2025年にバンコクで起こった事故のように、工事中のビルは、もしもの時に予期せぬリスクがあるんです。
  • 周辺環境の確認
    近くに高層ビルや工事現場がないか、ちょっとだけチェックしてみましょう。
    揺れた時に、上から物が落ちてくるリスクが減りますよ。

日々の暮らしの中でできること

毎日を安心して過ごすために、ちょっとした工夫をしてみませんか?
どれも簡単だから、すぐにできちゃいますよ。

  • 家具や家電の固定
    家具や冷蔵庫が倒れてこないように、壁に固定しておくと安心感が違います。
    もし、壁に穴を開けたくないなら、滑り止めマットとか、色々な便利なグッズがありますよ。
  • 非常用グッズの常備
    水や食料、懐中電灯、スマホの予備バッテリーなどをカゴにまとめておけば、地震だけでなく停電の時にも役立ちます。
  • 避難経路の把握
    自分の家や職場の近くに、公園や広場などの避難場所がないか、事前に調べておくと、いざという時も慌てずに済みます。

長く住むからこそ意識したいこと

  • 保険や医療の確認
    万が一、地震でケガをしたり、持ち物に損害が出たりした時のために、保険の加入状況や、近くの病院の場所を把握しておきましょう。
  • 地域とのつながり
    現地の友人を作ったり、地域の情報ネットワークに参加しておけば、もしもの時、いち早く情報を得ることができます。
  • 建物の定期チェック
    もし古い建物に住むなら、専門家に耐震診断をしてもらうことも検討してみると、より安心です。

タイでの生活は、情報と準備さえあれば、きっと安心して楽しめます。
これらのことを少しだけ意識するだけで、きっとあなたのタイでの暮らしが、もっと心強いものになるはずです。

まとめ

タイの地震は日本に比べれば稀ですが、2025年のチェンマイへの影響や過去のバンコクでの建設中ビルの倒壊事故を見ると、完全に油断できるものではないと改めて感じます。
特に北部や都市部の高層ビル、古い住宅では、揺れによる損傷や人的被害のリスクが潜んでいます。

旅行者は避難経路や情報収集の方法を知っておくことで安心感が増します。
移住者であれば、家具や備品の固定、非常用グッズの準備、建物の耐震性チェックなど、日常生活のちょっとした工夫が安心につながります。

日本のように子どもの頃から地震に備える教育があるわけではないタイでは、情報の取り方や備えの意識が、被害の大きさを左右すると言えます。
私自身、ニュースを見ながら「もし自分が現地にいたら」と考えると、準備の大切さを身に染みて感じます。

タイでの生活や観光をより安心して楽しむためには、過去の地震や建物の耐震情報、リアルタイム情報の確認、そして日常の備えを心がけることが重要です。
この記事が、タイでの生活や旅行を少しでも安全で心地よいものにする手助けになれば幸いです。